海外大学進学に至るまで②-大学中退,語学留学、IELTSを経てオーストラリアの大学へ

前回の記事では私のこれまでの背景であったり、大学を辞めたいと思った背景、また人生の大きな転機となったイタリアでの一人旅について紹介させていただきました。

今回は実際にどうやって海外の大学に入学できたのか。いざ日本の大学を辞め、新しい環境に飛び込み、そしてどのようなプロセスで現在のオーストラリアの大学に入学したのかを細かく紹介できればと思います。

転機となったイタリア旅行を終え、大学生活の初めての長い夏休みが終わり秋学期が始まろうかという頃、私の頭の中にこれ以上の学生期間を当時の大学で過ごすという考えはキッパリ消えていました。

両親へ相談

“大学を辞めたい” という毎日口癖のように半分本気、半分冗談の気持ちで言葉にしていましたが、この時の私は”大学を絶対にやめる” という確信に変わっていました。

そこである日初めて両親に真剣に大学を辞めたいと思っていると話しました。

すると母親は私の退学に真っ向から反対でした。理由としては、せっかく入った大学を辞めるのはもったいない。世の中には大学で勉強したくても入れない人もいる。就活はどうするの。とりあえず大学卒業してから好きなことをしたら良いんじゃないか。ということでした。

まさに日本人の保守的な考えを私に伝えてきました。

もしかすると多くの親御様はこういった意見なのではないかと思います。

人によって色々な背景、状況や理由などあるかと思いますが

私はこのとりあえずという言葉が本当に嫌いでした。とりあえずで奨学金を背負い、当時自分にとって無意味に感じていた大学生活を４年間とりあえずで過ごし、卒業後は社会へ奨学金という”借金“と共に出て行く。そんな恐ろしいことはありません。

学生生活中にやりたいことや熱中することを見つけ有意義に過ごすことができている場合は別ですが、そのようなことが一切なかった自分にとっては

もし学生生活を続けた場合に向き合うことになる、4年間の時間とその先の自分の未来の方が大学を退学することで背負う就活などのリスクや起こりうる将来のどんなリスクよりもはるかに怖いと思いました。

話は戻りますが

一方で私の父親はというと、 辞めてもいいよ。ただ辞めた後のプランを持ってきて納得いくものであれば好きに退学してもいいよ。ということでした。また退学後に必要になるお金も全て自分で工面するという条件付きで大学退学には賛成でした。

退学後のプラン。父親の言う通りです。大学を実際に退学をするにあたって、具体的な留学や留学後の自分についてもその時点では詳しく決めておらず、またこれといった将来の夢もありませんでした。ただ留学に憧れ、留学にいけば将来もどうにかなるだろうという気持ち、海外に一日でも早く行きたい、英語を話せるようになりたいという気持ちで頭がいっぱいでした。

恥ずかしながら、留学後のことについては英語で何かをしてみたいというぼんやりした考えはあったものの、その先は具体的には何も考えておりませんでした。

留学情報収集

秋学期の開始とともに私は留学について本格的に調べ始めました。大学内にある本屋さんに行って留学雑誌を立ち読みしたり、インンターネットで留学について検索しました。この時私は自然と海外の大学についての情報を探していました。また、留学に行って海外の大学に入れば英語もできて学位も取得できるので、退学しても周りは納得するだろう。そう思いました。

当時、取り憑かれるように“留学” に憧れていた私ですが留学について、留学＝海外の大学で何かを勉強すると言うようないわゆる交換留学制度のようなものしか知らず、どんな留学のスタイルがあってどこの国で何ができるかも全く知りませんでした。

海外の大学について調べていくと、どこの海外の大学にも英語の入学要件があり、しかもTOEFLやIELTSといった聞いた事があるような、ないようなテストを英語力の証明条件にしていました。やっぱり留学に行く為にはまずは英語力を上げてTOEFL やIELTSで結果を出すのが前提条件であることを知りました。

ちょうどその頃、高校時代から仲が良かった友人が体育会の部活を辞め、留学について考えていると聞きました。

そこで初めて知ったのが語学学校の存在でした。彼は私よりも留学について具体的に考えており、1年間くらい休学して留学に行きたいと言いました。話を聞いていくと語学学校というワードが出てきました。何それということで話を聞くと

どうやら語学学校では世界中から年齢問わず英語を学びたい学生が集まり一緒に英語を勉強することができるということでした。

おお。それはなかなか楽しそうと思いました。ただ全額自費ということでお金のない私にとって、文法は散々高校でやったしそこにわざわざお金を費やす意味があるのか？個人でやって直接大学に行くのが理想じゃないか？と思い生意気ながらに語学学校に行くことは選択肢に入りませんでした。

IELTSやTOEFLのような英語資格が必要ということは知っていましたが、お金もないし、日本でもそのテストは受けれるらしいし、自分で勉強すれば試験は大丈夫であろうそう言い聞かせました。

別の日、その友達と留学の話についてかなり話が盛り上がました。その中でやっぱり自分達は留学について生きた情報があまりに手元になかったので何かの留学イベントに行ってみようという話になりカナダ大使館主催のカナダ留学フェア（毎年２回春秋に開催）に事前申し込みをし参加しました。

本当にたくさんの学校のブースがあった。

小・中学校から高校の留学、サマープログラム、語学学校、カレッジ、大学やワーキングホリデーなど様々な目的に応じた留学関連機関が集結していました。

私は英語の要件が厳しくなく、TOEICなどですぐ入れる大学ないかなーと大学中心にパンフレットを集めようかなと思っていた。しかしどこのブースもかなり混んでおり、またブースに並ぶ=留学の申し込みと思い込んでいたのでサッと情報が欲しかった私たちは気が引けて話を聞く気がなくなってしまいました。笑

せっかく来たしなんか聞こうぜ。俺行くなら語学学校だからそっち聞きたいわ。と友人が言った。ただ語学学校といっても山ほどあった。

その瞬間まで語学学校に全く興味がなかった自分でしたが、ここで運命的な出会いが訪れました。

マップを眺めながら探していると、2人ともある名前に飛びついた。

プリンスエドワードアイランド

このなんだかこの長い名前に惹かれた。

カナダに島！？と思ったのと同時にめちゃくちゃ地球の果て？みたいなイメージを膨らませたのを覚えている。孤島で英語留学、最高じゃん。と

2人でいざブースに向かうと、他のお客様がお話を聞いていたので、飾ってあった写真など眺めていルト日本人スタッフの女性が私たちに話しかけてくれた。

話しやすかった。その話しやすさに私たちは自然と留学について気になる質問をぶつけた。

予算はいくらですか？

今でこそ、留学エージェントで働いた経験から思いますが、この質問は留学について調べ始めたばかりの人が本当によくする質問だと感じます。そして本当にお答えしづらい…。

実際に予算といってもコースや学校、国、ステイ先などによってかなり変わってくるので、

留学行きたいです。予算教えてください。二言ではかなりお答えにくい上記の情報を少しでもお伝えするだけでより正確なご予算を教えてもらうことができると思います！

ただこの漠然とした私の質問にも丁寧に対応していただきました。

留学について何も明確ではなかったので、留学について本当に何も決まってないんです。というと、メールで留学期間を教えてくれたら大体の予算を答えるよと連絡先を教えてくれました。すでに私はその時心の中で留学に行くことがほとんど決定していました。

1日でも早く海外、憧れていた留学に行きたい自分がかなり先行していた。

帰りの電車で島について調べていると、ますます行きたくってしまった。

ただ決めなくてはいけなかったのは大学を辞めて人生どうするか。父親にプランをもってこいと言われていた私にプランが舞い降りてきたのです。

“語学学校でIELTSなどの試験のために英語を勉強し、その後にどこかの大学に入学しよう。専攻はもちろん旅行関係” そんなプランでした。

その後先ほどのスタッフさんとメールでやり取りをさせていただき、後日横浜での合同説明会に参加しその場で私の翌年2018年2月からの4ヶ月間の語学留学が決定しました。

以下私が通った語学学校と詳細になります。(現地での体験などは詳しくはまた別の記事で書こうと思っております)

語学留学決定後、その先の大学入学についても本格的に調べ始めました。

分野は観光学に絞り、一番上に出てきたのはオーストラリアの現在の大学。学費に驚き諦めた。その次に出てきたのはアメリカのフロリダ。それ以上に高くて勘弁。もう一つがノルウェーの大学だった。ノルウェーは学費が無料という事で真っ先に第一志望になりました。

早速ノルウェーの大学メールでコンタクトを取りGoogle 翻訳の英語を使いつつ色々ききました、並行でオーストラリア留学の某エージェントや実際にアメリカ大学留学についてもエージェントにお話を聞きに行きました。

３つお話を聞いていく中で真っ先にアメリカの選択肢が無くなりました。というのも学費の高さや向こうで保持するビザではアルバイトができないという事で当時の自分には費用面での壁が高すぎることから断念いたしました。

反対にオーストラリアは学費は日本と比べやはり高いもののアメリカよりは安く、またバイトができ、時給高いということから候補として残しました。それでも当時の自分にとっては費用面から、現実味はありませんでしたが希望する大学が観光学の分野で優れていることや質の高い教育が評価されていたこともあり諦めえられませんでした。

依然として費用の安さからノルウェーの第一志望は変わりませんでしたが、入学要件に英語力とノルウェー語が必要ということでどちらもない私にはこちらもハードルが高く思えました。ただ早速図書館に行きノルウェー語の本を借りたのを覚えています。笑

この時点で具体的な大学は未確定でしたが“カナダの語学学校で英語を勉強し、その後にどこかの大学で旅行関係を専攻する”ことを退学後の第一のプランとし父の理解を得ました。

退学する事が無事に決定した後、私は次の日から学校に行くのを止めようとしておりましたが、学費を既に払ってしまっていることや、海外の大学に入学する際に日本の大学に一年間通った証明があればもしかしたら入学する際に使えるかもしれないとう事がありましたので学期末までやり抜くことにしました。結局使えませんでした）

一方で留学に行くことは決定していたので、一番大切な語学留学の費用を貯金するためにアルバイトに熱中しました。やりたいことの為でしたので苦ではなかったしお陰様で今の料理スキルのベースもできました。笑

無事お金も貯まり、留学まで２ヶ月を切ったその年の年末。

祖母の家で親戚一同が集まり大学を辞めることと、英語を習得し海外の大学に進学する話をしました。そこで忘れられないのが、考えが甘いなどと言われたり、大学退学することに対してもかなりネガティブな意見を言われました。

もちろん折れるはずはなくむしろその言葉たちが留学生活のガソリンになりました。今でもガソリンになています。(かなり燃費いいですね笑) 見とけよ。当時そう思ったのを覚えています。

年が明けて日本での大学生活ラストの期末試験が終わり、カナダに渡航する1週間前になりついに退学届を提出しました。窓口で届を提出し建物を出ると同時に何か自分にまとわりついていた嫌な空気が全て吹っ切れたのを覚えています。そして学生という自分の所属がなくなる不安も少しばかりありましたが、ゼロから自分で切り開く未来が楽しみで仕方なかったことを覚えています。

いいよいよ始まったカナダ留学。たくさんのアクシデントがありましたが、一人旅の時同様アクシデントの数だけ自分が強くなりました。アクシデント、留学中の話、ホームステイなどについてはまた改めて書いていこうと思います。

一つ自信を持って言えるのは、誰よりも勉強に対して貪欲に取り組みました。時間も限られ、費用も自費だったので一瞬も無駄にする余裕はありませんでした。

語学留学に行くと、勉強をしに来ているという本質を忘れてしまい、結局遊びすぎてしまったり、安心を求めて日本人とコミュニケーションをとりすぎてしまったり、帰国時に実際に“英語力は伸びた感じはしないけど、留学自体はとても楽しかった！最高だった！”という方がかなり多いのではないかと感じます。留学はかなりの確実で楽しく終われると思います。海外での留学を求めた人が普段の生活から離れ、現地の生活を経験する事が楽しくないはずありません笑。楽しい留学も人によっては成功であることは間違いありませんが、私の本質はIELTSのスコアを取ることでしたので成功は試験の結果をもって証明されるものでした。

というのもカナダ留学中もオーストラリア留学のエージェントとやり取りをしており、翌年の大学進学に向けて入学許可をもらうためにIELTSの試験の結果がどうしても必要だったかからです。

私は当時大学1年生を修了しており、その成績証明書とIELTSのスコアがあればもしかしたらオーストラリアの大学に直接入学できるかもしれないということでした。 基本的に一般的な日本の高校を卒業した者がオーストラリアの大学に入学したい場合、両国の教育制度の違いなどからファウンデーションコースといういわゆる大学準備コースに通う必要があります。そしてそのコースを一定の成績基準をクリアすれば大学に入学できるという制度になっております。

いずれにせよカナダの東の孤島にある田舎の語学学校のクラスの中で私だけIELTSをかなり意識しておりました笑

IELTS受験

あっという間の1ヶ月を終え日本に帰国しました。いよいよ留学の成功が問われるIELTSの試験。受験料は1回約3万円と決して安くありません。受験までの1ヶ月間をIELTS対策の為に集中して勉強しました。ちなみに私がIELTSを受験するにあたり参考にした教材は主に以下の２点になります。

① 公式テキスト

こちらはケンブリッジが出しているIELTSの公式問題集になっていまして本番の試験と全く同じ問題(4技能*speakingは問題のみ) が複数回分セット入っており試験前に絶対に解きたい一冊です。洋書の公式テキストですので新品ですと少しお値段も高くなってしまいますがかなりおすすめです。気にしない方はメルカリなどのフリマアプリで安く手に入るかと思います！

一点だけ注意点でAmazonなどで新品なのに半額以下で販売されているものがありますが中国製の偽物ですのでよく確認して判断していただければと思います！私も実はその安い偽物をAmazonで購入してしまったのでみなさんもお気を付けださい。

② Improve Your IELTS Writing Skills

こちらはIELTSの試験で問われる英語技能の一つWritingを鍛えるために購入した参考書になります。TOEICの受験経験などがあったためリスニンングやリーディングの試験経験はありましたが、当時Academic のEssay やreportなどを書いたことが一切なくwritingの全くの初心者であったため購入しました。肝心な中身は英語でEssayを書くための基礎を本当にわかりやすく教えてくれる内容になっています。各Unit ごと(全部で10 units)にテーマがありそれに沿ってEssayで頻繁に使われるアカデミックの語彙であったり、さまざまな言い回しを教えてくれます。この本がなければWritingは終わっていたと思うくらい救われた一冊です。

これに加えて大学受験時に使用していたターゲット1900の単語帳をカナダから帰国後の１ヶ月間勉強しなおしました。

ファウンデーションコース(大学準備コース)へ🇦🇺

試験の結果は5.5でした。当然これは海外大学の入学要件には達しておりませんでしたが(多くの大学はIELTS6.5-7.5以上)、その頃オーストラリアの大学から私の日本の大学での単位は互換できないことの通知も届き、いずれにせよファウンデーションコースに通う必要がある事がわかりました。また当然英語も足りてなかった為オーストラリアの大学に入る為には約1年間ファウンデーションコースに通う必要がありました。またファウンデーションコースでAcademic Englishという教科で一定の成績を収めれば入学条件スコア同等の扱いとのことでした。

その頃ノルウェーの大学についても要件がクリアできず連絡も滞っていたため、私の中で第一志望が完全にオーストラリアの大学に傾いていました。

試しにエージェントにファウンデーションコースの学費を尋ねてみたところだいたい1年間でAU$30000とのことでした。私は当時何を勘違いしたのか、1年間で30万円かと思い、安い！と勝手に舞い上がりそれならオーストラリアに行こうと思いオーストラリアに行くことを決断しました。

…ですがしばらくして、そんな訳ないよな。と数え直すと一桁多かったのです。一年で300万円。しかし前回のカナダ留学同様、既に心はオーストラリアの大学に行くんだと気持ちが先行しておりそれでもなんとか行ってやろうと完全に舵をオーストラリアに向けて切りました。しかし語学留学で既にお金を使ってしまっておりそんな費用どうしても集められません。

なんとかならないかと調べに調べ、日本奨学生機構の海外大学向けの奨学金にたどり着きました。きっと他にいい奨学金などがあったはずですが、当時調べた限り、私の状況で申請できる奨学金がその他に見つかりませんでした。しかし自分の行きたい大学で学びたいことを学ぶという点で、前回の大学生活と比較すると奨学金を借りることはそれほど怖くありませんでした。返還型ということで正直気持ちいいものではありませんでしたが大学に入学し卒業後の未来に向けての自己投資だと言い聞かせ奨学金を借りることにしました。

ファウンデーションコースの入学は翌年の年明けでしたので出発までは約半年ありました。フリーターでしたので出発まではとにかくアルバイトで働きまくりました。多い時は週7でシフトを組み毎日働きました。アルバイト最後の月は午前11時から夜の11時すぎまでのシフトを週6で詰め込みました。

あっという間に時は流れ気づいたら私はオーストラリアに飛んでいました。ファウンデーションコースを開始した私は約1年間 Mathematics ,Economics, Business Management, Academic English, Behavioral Science の5教科を学び、そして無事に成績をクリアしました。

当時ほとんど毎日朝から夕方まで授業があり、アルバイトもしており忙しい毎日でしたが、高校サッカーで培った気合いで乗り切ったと思います。笑笑

ファウンデーションコースの詳しいお話も別の記事でぜひ書いていこうと思います!

1つだけいうのであれば、私は中学校時代から根っからの文系でしたので日本語でも全くできない数学をオーストラリアで数Ⅰ,数Ⅱ,数Ⅲ, 数A ,数B,数Cをやるということが本当に苦でした。笑笑

最後は幸いにも成績が良く、自分で学部を選ぶことができましたので兼ねてから学びたかった観光学部に入ることにしました。

大学からオファーレターが無事に届いた時は本当に嬉しかったです!!

少し足速になりましたがここまでが私の日本の大学退学から海外大学進学への大まかな道筋となります。少し時間がかかりながらもたどり着いた2度目の大学生活ですが、今のところ大学を辞め、周りとは少し外れてしまった自分の道に後悔はひとつもありません。

大きな海外大学進学までの流れとして、